「経団連、17年の就活日程は前年踏襲 現場の混乱回避へ」「就活日程、3月説明会・6月選考を維持 経団連が正式表明」
2016年09月13日の報道概要
日本経済団体連合会(経団連)は、2018年春に卒業する大学生らを対象とする2017年の就職・採用活動について、前年と同じ日程を維持する方針を正式に決めた。
企業説明会などの広報活動は大学3年生の3月1日以降、面接などの選考活動は大学4年生の6月1日以降、正式な内定通知は10月1日以降とする。
就職活動の日程は、2016年卒から広報活動を3月、選考活動を8月に後ろ倒しした後、2017年卒では選考活動を6月に前倒しするなど、近年相次いで変更されていた。経団連は、再び日程を変更すれば学生や企業の混乱を招くとして、現行の日程を維持することとした。
2016年09月当時の背景
当時の就職活動は、学生が学業に専念できる期間を確保することと、企業が必要な人材を確保することの両立が課題になっていました。政府の要請を受け、経団連は2016年卒から会社説明会などの広報活動を3月、選考活動を8月に変更しました。
しかし、夏の選考が学生や企業の負担になるとの声などを受け、2017年卒では選考開始を6月に前倒ししました。わずかな期間で日程が変わったため、2016年には「また変わるのではないか」という不安も生じていました。
さらに、経団連に非加盟の企業のなかには、解禁日前から学生に接触する企業もあり、決められた日程と実際の就職活動との間にもずれが生じていました。
2026年現在の状況
2026年現在、就職活動の日程をめぐる基本的な枠組みは大きく変わりました。経団連は2018年、2021年春入社以降の学生を対象に「採用選考に関する指針」を廃止する方針を決定し、その後は政府が経済団体や大学などと調整しながら日程を示す仕組みになっています。
一方、日程そのものを見ると、2026年卒・2027年卒の就職活動では、広報活動は3月1日以降、選考活動は6月1日以降、正式な内定は10月1日以降という枠組みが続いています。
つまり、経団連が2016年に「変更しない」と決めた日程は、その後の制度変更を経ても基本的な形を残しています。ただし、一定の条件を満たす専門性の高いインターンシップを経た学生については、6月より前に選考へ移れる仕組みも設けられています。
「日本国ドラフト会議」
毎年10月頃、プロ野球のドラフト会議があります。各球団が、これからプロでプレーする選手を指名する会議です。
ところで、なぜ10月なのでしょう。
7月なら甲子園大会の前ですし、翌年4月なら、プロ野球のシーズンが始まった後です。選手の実力を見る時間も必要だし、球団も翌シーズンに向けて準備しなければならない。そう考えると、10月あたりが「まあ、なんとなく妥当」という気がします。
就職活動も、これとよく似ています。大学を卒業する学生を、企業が一斉に採用する新卒一括採用。いわば「日本国ドラフト会議」です。企業からすれば、新年度に向けて優秀な学生を早く確保したい。一方、学生にとっては、プロを目指しつつも「目の前の大会」に集中したい。
2016年は、「日本国ドラフト会議」は何月に開催するのが妥当なのか、と社会が試行錯誤していた時期だったのかもしれません。
10年後の未来
政府や経団連、そして大学が「日本国ドラフト会議」を何月に開催するのがいいのかと議論していた頃、海外の企業は時期に関係なく人材獲得に動いていました。
海外の企業では、日本のような新卒一括採用だけでなく、必要な人材を必要な時期に採ることも珍しくありません。決まった時期に、決まった枠の中から人材を選ぶ組織と、必要な人材を必要なときに探す組織。
日本企業の存在感がかつてより弱くなった現在から振り返ると、こうした人材獲得の仕組みの違いも、その背景を考える一つの材料にはなりそうです。
