「富山市議会、政務活動費問題で新たに2議員が辞職願」「民進系会派も不正認める、辞職議員5人に」
2016年09月14日の報道概要
富山市議会で政務活動費の不正受給が相次いで発覚している問題で、民進党系会派「民政クラブ」の高田一郎会長と針山常喜幹事長が14日、議長に辞職願を提出した。
2人は前日の会見で、5年以上前から領収書の偽造や改ざんを行い、組織的に政務活動費を不正受給していたことを認めている。不正受給額は過去3年間で少なくとも1182万円に上り、前回の選挙費用にも流用されていた。2人の辞職が認められれば、一連の問題で辞職する市議は5人となる見通し。
2016年09月当時の背景
政務活動費は、地方議員が調査研究や広報などの活動を行うために交付される公費です。富山市議会では、2016年8月に自民党会派の中川勇元議員による不正受給が発覚したことをきっかけに、領収書の金額を水増しするなど、政務活動費をめぐる不正が次々と明らかになりました。
9月に入ると、自民党会派の複数の議員が相次いで辞職願を提出し、さらに別の議員にも不正の疑いが広がっていました。14日には民進党系会派でも組織的な不正受給が認められ、問題は特定の議員個人だけでなく、議会全体の政務活動費の使い方に及び始めていました。
2026年現在の状況
富山市議会ではその後も不正が相次ぎ、2016年の問題で最終的に14人の市議が辞職しました。2017年4月の市議選では定数38に対して58人が立候補し、補欠選挙と本選挙を合わせて19人が新しい議員に入れ替わりました。
制度面でも見直しが進み、2017年には政務活動費の運用指針が策定されました。茶菓子代など一部の支出を認めないほか、使用前と使用後に第三者機関が審査する仕組みなどが導入されました。現在も収支報告書や領収書などの関係書類は公開されており、2026年にも前年度分の公開が行われています。
誰でも身近にある、不正の入り口
富山市議会では、政務活動費をめぐる問題で最終的に14人の議員が辞職しました。では、この時期の富山市には、たまたま不正をする議員が大量に集まっていたのでしょうか。それとも、富山市の有権者だけが、見る目を持っていなかったのでしょうか。もちろんそんなわけはないでしょう。
もしかしたら、最初から不正をするために議員になった人もいたかもしれません。でも、14人全員が最初から不正しようと思っていた、と考えるのも、それはそれで無理があります。
人はよほど強い信念でもない限り、置かれた環境や周囲の空気に、案外流されるものです。政治家といえど、もとをただせば一市民です。
「自転車通勤でも、申請すれば交通費もらえるよ? みんなやってるし」
「みんな申請してるのか……。え? 俺、逆に損してる?」
もしかしたらバイトの先輩の、そんな小さな一言が不正の入り口にもなります。
富山市議会で14人の議員が辞職した問題は、人は生まれつきの善人でも悪人でもなく、環境によって行動が変わることを考えさせる出来事でした。
10年後の未来
10年後、地方議会から「政治とカネ」の問題がなくなっているでしょうか。おそらく、そう簡単にはいかないでしょう。議員が入れ替わっても、人の考え方が大きく変わるわけではありません。「こういう抜け道がある」「みんなやっている」と言われれば、つい合わせてしまう人もいるでしょう。
ところで、それを監視する市民の側はどうでしょうか?
ワイドショーで、政治家の不正に関するニュースを見ながら、「また、政治家が不正している!」と憤る主婦がいます。そして、同じ日のスーパーでその主婦は、どうせ無料だから、みんなやってるからと、割り箸を少し多めに持ち帰り、ビニール袋も数枚余計にもらっていたりするかもしれません。
もちろん、両者を同じ不正だと言いたいわけではありません。ただ、「これくらいならいいか」という気持ちは、案外身近なところにも転がっています。
結局のところ、性善説でも性悪説でもなく「性無説」。政治家も主婦も、おそらくごく普通の人間です。そこから考えたほうが、世の中は案外うまくいくのかもしれません。
