「蓮舫氏、台湾籍放棄の手続き」「二重国籍問題、蓮舫氏が改めて台湾籍放棄へ」
2016年9月6日の報道概要
民進党代表選に立候補している蓮舫代表代行は6日、台湾籍を放棄したかどうかについて確認が取れていないとして、台湾側に対し、改めて台湾籍を放棄する手続きを取ったことを明らかにした。父親が台湾出身、母親が日本人の蓮舫氏をめぐっては、日本と台湾の二重国籍ではないかとの指摘が出ていた。
蓮舫氏は17歳だった1985年に日本国籍を取得した際、父親が台湾籍を放棄する手続きを行ったと認識しており、自身も台湾籍を離脱したと考えていたと説明していた。しかし、台湾側への確認に時間がかかっていることから、6日、自ら台湾籍の放棄手続きを行った。
民進党代表選では蓮舫氏が有力候補とみられており、国籍をめぐる問題が党首選のさなかに浮上する形となった。蓮舫氏は「私は日本人だ」と強調しながら、確認作業と手続きを進める考えを示した。
2016年9月当時の背景
当時の日本では、国籍をめぐる制度そのものが一般の人には分かりにくいものでした。1985年の国籍法改正によって国籍選択に関する制度が設けられたことも、今回の問題を理解するうえで重要でした。蓮舫氏自身も17歳のときに日本国籍を取得した際、台湾籍の離脱手続きも済んだと認識していました。
一方、蓮舫氏は参議院議員を3期務め、過去には閣僚も経験していました。本人へのインタビューでも、それまで国籍について問題を指摘されたことはなかったと説明しています。今回、民進党代表選への出馬をきっかけに、過去30年以上にわたる国籍の扱いが改めて注目されることになりました。
さらに、蓮舫氏の説明が当初の記憶に基づくものだったことから、問題は国籍そのものだけでなく、政治家としての説明責任にも広がっていきました。9月15日の代表選を目前に控え、蓮舫氏がどのように説明し、党内や有権者の理解を得るのかが焦点となっていました。
2026年現在の状況
蓮舫氏は2016年9月15日に民進党代表に選出され、その後も国籍問題への対応を続けました。9月23日には台湾側から国籍喪失許可証書を受け取ったと公表し、国籍喪失手続きが完了したと説明しています。
ただし、日本側ではその後も手続きが続きました。2017年7月、蓮舫氏は戸籍の一部などを公開し、2016年9月13日付で台湾側から国籍喪失許可を受け、同年10月7日に日本国籍を選択する意思を宣言した経緯を説明しました。本人は、台湾籍が残っていたことを確認した後、速やかに離脱手続きを進めたとしています。
その後、蓮舫氏は民進党代表を退き、立憲民主党でも代表代行などを務めました。2024年には参議院議員を辞職して東京都知事選に無所属で立候補しましたが、落選。2025年の参院選では比例代表で立憲民主党から出馬して当選し、2026年現在は参議院議員として活動しています。
政治家に求められる「Show the flag」
日本は二重国籍を原則として認めていません。しかし日常生活だけを考えれば、二つの国籍を持っていることが直ちに大きな問題になるわけではありません。世界には二重国籍を認めている国も多く、国籍を複数持つことと、その人が安全保障上の問題になることは別の問題だからです。
今回、問題が大きくなったのは、二重国籍の可能性が指摘された人物が、国政に携わる政治家だったからです。しかも当時の蓮舫氏は民進党代表選に立候補しており、党首、さらには将来の首相にもなり得る立場でした。
意図的だったのか、手続き上のミスや認識不足だったのかは、外部から断定できません。しかし、本人の認識と実際の行政上の状態にズレがあったことが、政治家としての説明に対する疑念を生みました。
立場を明確にするよう求める、「Show the flag」という言葉があります。直訳すれば「旗を掲げろ」。国際社会の中で自らの立場を明確に示せ、という意味合いで使われた言葉ですが、国政を担う政治家自身に「あなたは何者なのかを、きちんと示してください」と、説明を求めるニュースだった、と見ることができます。
10年後の未来
長年、島国で同質性の高い社会として暮らしてきた日本人にとって、「二重国籍」という言葉は、どこか落ち着かない響きを持つのかもしれません。「日本人なのか、外国人なのか。結局、どっちなんだ」と。二つの世界の間を行き来する「こうもり」のように、どちらか一方に分類したくなる感覚です。しかし、人々が国境を越えて暮らすことが当たり前の国々では、「どこの国籍を持っているのか」だけで人を判断することは困難です。
「日本人だから信用できる」のか、それとも「この人は信用できる」のか。
国籍は、その人を知るための一つの情報です。しかし、それだけで誠実さや能力まで決まるわけではありません。政治家であれば、外国との関係を含めて自らの立場を説明することは必要でしょう。しかし、最終的にその人物を信用するかどうかを決めるのは、有権者自身です。
二重国籍をめぐって「どちらの国に立つのか、はっきりしろ」と政治家に迫った日本ですが、そもそも「台湾を国として承認していないのに、その国籍は問題にするのか」と感じる人もいることでしょう。
国籍も、国家も、そして人を信用する基準も、そう簡単に割り切れるものではありませんが、政治家に向けた「Show the flag」は、もしかすると私たち自身にも向けられているのかもしれません。
