「健康志向の高まりを背景に、『青汁』人気が再び広がる」「飲みやすさを追求した商品によって幅広い世代へ青汁の需要が拡大」

2016年7月17日の報道概要

 健康志向の高まりを背景に、青汁市場が活況を呈している。かつては「苦くて飲みにくい」という印象が強かった青汁だが、近年は飲みやすさを重視した商品や、果汁を配合した製品が相次いで発売され、幅広い世代に受け入れられるようになった。

 野菜不足が気になる人や健康管理を意識する人を中心に、手軽に栄養を補える食品として需要が拡大している。特に、忙しい会社員や子育て世帯、高齢者などの間では、毎日の生活に取り入れやすい健康習慣として定着しつつある。

 テレビCMや通信販売に加え、インターネット上での口コミも人気を後押ししており、ダイエットや美容、体調管理など幅広い目的で利用する消費者が増えている。各メーカーは機能性や飲みやすさを競い、新商品の投入を相次いで進めており、健康食品市場における青汁の存在感は一段と高まりを見せている。

2016年7月当時の背景

2016年当時、日本では健康寿命の延伸や生活習慣病予防への関心が高まり、「健康であること」が社会全体の価値観として定着しつつありました。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、成人の約7割が野菜摂取目標(1日350グラム)に達しておらず、特に働き盛り世代では外食や中食の増加による栄養バランスの偏りが課題となっていました。

一方で、スマートフォンやSNSの普及により、ダイエットや筋力トレーニング、美容に関する情報が日々拡散され、「理想の体」を目指す風潮も強まっていました。こうした中、粉末化技術やフリーズドライ技術の進歩により、従来は苦味の強かった青汁もフルーツ風味など飲みやすい商品が次々と登場しました。忙しくても手軽に健康を管理したいという「時短」と「効率」の価値観、さらに体重や体脂肪率、歩数などを数値で管理するセルフマネジメント志向が重なり、青汁は単なる健康食品ではなく、「効率よく健康を手に入れる」時代を象徴する商品として大きな注目を集めていました。

2026年現在の状況

2026年現在、青汁は一時的なブームを超え、健康食品市場に定着した存在となっています。一方で、「青汁を飲めば健康になれる」という単純な価値観は薄れ、健康管理はより多様な時代へと移行しました。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品は数千品目に拡大し、プロテインや完全栄養食、乳酸菌飲料、サプリメント、スマートウォッチによる健康管理など、目的に応じて商品やサービスを選ぶことが当たり前になっています。青汁は流行の主役ではなくなりましたが、「手軽に健康を補いたい」という現代人の願いは形を変えながら受け継がれています。

「健康ブーム」、「健康志向」という言葉の違和感

ところで、「健康ブーム」や「健康志向の高まり」という言葉をニュースで目にすることがありますが、この表現には少し違和感があります。「ブーム」という言葉が「流行り廃り」を意味するのだとすれば、まるで昔の人は健康を気にしていなかったかのようですし、そしてまたいつか、「健康なんてもう古い」「健康はもうダサい」と言われる時代が来るようにも聞こえます。しかし、その表現にはどこか引っ掛かりを覚えます。人は昔も今も、できることなら健康でいたいと思っているはずだからです。

例えるなら、特定の服装やアイテムが流行したからといって、「おしゃれブーム」や「おしゃれ志向の高まり」とはあまり言わないのと同じようなものでしょう。流行っているのは、その「服装やアイテム」であって、「おしゃれになりたいという気持ち」そのものではないはずです。

健康についても同じようなことが言えるかもしれません。昔から、寒風摩擦、ラジオ体操、青汁、黒酢、サラダチキン、プロテイン、腸活――。時代ごとに「これが健康にいい」と言われるものは変わってきましたが、流行ったのは「健康になりたい」という人々の気持ちそのものではなく、それを実現するための方法やアイテムにすぎません。

10年後の未来

2016年、青汁は健康ブームの象徴として注目を集めました。しかし、人々が本当に欲しかったのは、青汁そのものではなく、健康だったはずです。

健康のために青汁を飲むのか。それとも、青汁さえ飲めば健康になれると思うのか。
おしゃれでありたいから服を選ぶのか。それとも、流行の服さえ着ればおしゃれになれるのか。

世の中には、次々と新しいブームが生まれては消えていきます。でも、「青汁?もう飽きた」と言うことはあっても、「健康?もう飽きた」とはなりません。「タピオカ?もう飽きた」はあっても、「飲み物?もう飽きたわ」とはならないように。

飽きるものと、飽きないもの。その違いを眺めていると、自分は何を求めているのか、少しクリアになる気がします。