「14歳の藤井聡太三段、史上最年少プロ入りへ」「中学生棋士誕生へ、14歳2カ月で新記録の可能性」
2016年9月1日の報道概要
将棋のプロ棋士を目指す奨励会三段リーグで、愛知県瀬戸市の中学2年生、藤井聡太三段が史上最年少で四段に昇段する可能性が高まっている。藤井三段は2015年10月、13歳2カ月で史上最年少の三段に昇段。現在参加している第59回三段リーグでは好成績を挙げ、最終局を前に昇段争いの先頭に立っている。
四段への昇段が決まれば、14歳2カ月でのプロ入りとなり、1954年に加藤一二三九段が記録した14歳7カ月を62年ぶりに更新する見通しだ。中学生のうちにプロ棋士となる「中学生棋士」は、加藤九段、谷川浩司九段、羽生善治三冠、渡辺明竜王に続く5人目となる可能性がある。
藤井三段は5歳で将棋を始め、小学生のころから詰め将棋などで才能を発揮。2015年、2016年には詰将棋解答選手権で優勝しており、将来を期待する声が高まっている。
2016年9月当時の背景
将棋のプロ棋士になるには、通常、日本将棋連盟の棋士養成機関である奨励会を突破する必要があります。三段まで昇段すると、半年間で18局を戦う三段リーグに参加し、原則として成績上位2人だけが四段に昇段してプロ棋士になります。狭き門であり、若くして三段まで到達すること自体が非常に難しい世界です。
藤井三段は2012年に小学4年生で奨励会に入り、2015年には13歳2カ月で三段に昇段しました。さらに2015年、2016年と詰将棋解答選手権のチャンピオン戦を連覇するなど、将棋界では早くから才能が注目されていました。
2016年9月1日時点では、まだプロ入りは正式決定していません。しかし、最終局を残して昇段を有力視される14歳の少年が、62年間破られていない最年少記録に挑もうとしていました。
2026年現在の状況
藤井聡太三段は2016年9月3日の三段リーグ最終局に勝利し、13勝5敗で1位となって四段昇段を決めました。10月1日付で14歳2カ月の史上最年少プロ棋士となり、加藤一二三九段の14歳7カ月という記録を62年ぶりに更新しました。
その後、2016年12月のプロデビュー戦で加藤九段に勝利すると、2017年には公式戦29連勝を記録。さらにタイトル戦でも次々と結果を残し、2020年には棋聖、王位を獲得し、2023年には竜王、名人、王座、棋王、王将、叡王を加え、史上初の八冠独占を達成しました。
2026年現在、藤井は24歳。日本将棋連盟によると、竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将の6タイトルを保持し、これまでにタイトルを36期獲得しています。
ニュースの裾野
このニュースが報じられてから間もなく、藤井聡太はプロ棋士になっても勝ち続けました。その若さだけでなく、29連勝という圧倒的な実力も後押しし、日本に将棋ブームをもたらしました。そして、対局のたびに「今日の昼飯は何を食べたのか」、さらには出前を届けた店へのインタビューまで報道されるようになりました。
当時、「いや、昼飯って(笑)」と思った人もいたでしょう。しかし、藤井聡太という山があまりにも高く、ニュースバリューが大きかったため、その周りにある「昼飯」まで報道の裾野に入ってきたわけです。
注目される人は、周りの些細なことまでニュースになる宿命があります。そして、その注目の山が高くなればなるほど、ニュースの裾野も広くなる。そう考えると、「藤井聡太の昼飯」は、インフルエンサーの理想形なのかもしれませんね。
10年後の未来
藤井聡太は、10年前にはまだ14歳の中学生でした。それがプロになってから勝ち続け、将棋に興味のない人まで「藤井聡太」という名前を知る存在になりました。
次に藤井聡太を超えるような棋士が現れるのは、いつになるのでしょうか。史上最年少でプロ入りし、数々の記録を塗り替え、将棋を知らない人まで昼飯が気になるほど注目される。そんな棋士が、そう簡単に現れるとは思えません。
もちろん、将棋の世界はこれからも新しい才能を生み出していくでしょう。藤井聡太に憧れて棋士を目指す子どもたちの中から、次のスターが生まれる可能性もあります。
10年後、将棋界の景色がどうなっているのかは分かりません。藤井聡太がまだ第一線にいるのか、別の若い天才が「今日の昼飯は何だ」と世間を騒がせているのか。それとも、そんな存在はなかなか現れないのか。答え合わせをするのが楽しみな10年です。
