「Uber、自動運転車の配車テスト開始 米ピッツバーグで」「Uber、自動運転車を一般利用者に提供 運転席には技術者」

2016年09月15日の報道概要

米配車サービス大手Uberが、米ペンシルベニア州ピッツバーグで自動運転車による配車サービスの試験を開始した。対象となる利用者がスマートフォンから配車を依頼すると、自動運転機能を搭載したフォード・フュージョンが迎えに来る仕組みで、利用者を試験に招待する。

車両にはカメラやレーザー、レーダーなどのセンサーを搭載し、運転操作の多くを自動で行う一方、運転席には技術者が乗り、必要に応じて手動運転に切り替える。Uberは2015年にカーネギーメロン大学のロボット研究者を多数採用しており、ピッツバーグを自動運転技術の研究拠点としてきた。今回の試験では、実際の道路や乗客の反応を含めたデータの収集を進める。

2016年09月当時の背景

自動運転車は、自動車メーカーだけでなく、IT企業や配車サービス企業も参入する新たな競争分野となっていました。Uberは2015年、米カーネギーメロン大学のロボット研究部門から約40人の研究者を採用し、自動運転技術の開発を本格化させています。ピッツバーグには同大学の研究拠点があり、坂道や狭い道路、複雑な道路網など、実際の市街地で技術を試す環境も整っていました。

当時はGoogle系の自動運転開発なども進んでおり、自動車を「人が運転するもの」から「機械が運転するもの」へ変える競争が始まっていました。一方で、2016年のUberの試験車両は完全な無人運転ではなく、運転席に人間の技術者を配置する段階でした。

2026年現在の状況

自動運転による配車サービスは、すでに実用化の段階に入っています。米国ではWaymoが完全自動運転による配車サービスを複数都市で提供しており、2026年9月にはデンバー、サンディエゴ、タンパで一般向けの乗車を開始し、サービス提供都市は14都市となりました。実際の乗客を乗せる移動サービスとして定着し始めています。

 一方、2016年に自動運転車の開発を進めていたUberは、2020年に自動運転部門をAuroraへ売却しました。現在のUberは、自ら自動運転車を開発するのではなく、Waymo、Wayve、Zooxなど複数の自動運転企業と提携し、サービスの提供に注力しています。2026年には米国の複数都市ですでにUber経由で自動運転車を利用できるほか、今後さらに対応地域を広げる計画も進んでいます。

「運転手がいない」という不安と安心

 2016年のUberのニュースから10年。自動運転は、広い道路を走る実験段階から、実際の市街地で乗客を運ぶ段階へ進みました。まだ「運転手がいないのは怖い」と感じる人が多いようですが、逆に知らない人と車内で二人きりにならなくて済むため、「運転手がいないほうが安心」と感じる人もいるとのことです。

 一方、日本人が気になりそうなのは、住宅街のような狭い道路です。車一台分ほどの道で対向車が来れば、人間なら相手との距離や状況を見ながら、どちらかがバックして譲ります。そんな空気を読む譲り合い、自動運転には無理では?アメリカは道が広いからできるんだろうな、と思ってしまいます。ところが、実際には自動運転でも、こうした狭い道路や駐車車両を避けながらの走行を想定して開発が進められています。

自動運転の進化は、道路を走れるようになったことだけでなく、人間が「なんとなく」で処理していた場面まで、機械が判断するようになったところにあります。

10年後の未来

 自動運転はすでに実際の乗客を運ぶところまで来ましたが、すべての問題が解決したわけではありません。事故が起きたとき、所有者、メーカー、自動運転システムの開発会社など、誰がどこまで責任を負うのかという法的な問題は、今後も整理が必要です。技術面でも、狭い道路での譲り合いや予想外の動きをする歩行者など、人間なら「なんとなく」で対応している場面には、まだ課題があります。

 こうした問題が少しずつ解決され、自動運転が当たり前になる時代はいつか訪れるでしょう。そのとき、人が自分でハンドルを握る車はクラシックカーのように、「わざわざ自分で運転する」ことを楽しむ趣味の乗り物になっているかもしれません。そんな未来は、あと何年くらい先になるのでしょうか。