「iPhone 7発表、日本向けモデルはFeliCaに対応」「Apple Pay、10月から日本で開始 コンビニなど主要店舗で利用可能に」

2016年9月8日の報道概要

米Appleは9月7日、iPhone 7とiPhone 7 Plusを発表しました。日本向けモデルでは、非接触IC技術「FeliCa」に対応。10月から日本で提供を始めるApple Payを利用できるようになります。JR東日本のSuicaのほか、電子マネーのiD、QUICPayにも対応し、iPhoneを店舗の読み取り機や駅の改札にかざして決済や乗車ができるようになります。

Apple Payの利用開始に合わせ、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップなどのコンビニ、イオン、ビックカメラ、ユニクロ、すき家など、幅広い店舗が対応を予定しています。Appleは、対応店舗で日本の大手小売店における取引のほぼ3分の2をカバーするとしています。

2016年9月当時の背景

日本ではすでに「おサイフケータイ」やSuica、iD、QUICPayなど、非接触による決済が普及していました。NTTドコモが2005年から提供してきたiDは、2016年6月時点で全国64.4万か所の加盟店で利用できる規模になっていました。つまり、日本では「携帯電話をかざして支払う」という仕組み自体が珍しかったわけではありません。

一方、世界的に普及していたiPhoneは、それまで日本のFeliCaに対応していませんでした。今回のiPhone 7では、日本で販売するモデルにFeliCaを搭載し、既存のSuicaやiD、QUICPayの仕組みをApple Payから利用できるようにします。Appleにとっては、日本ですでに普及していた決済インフラをiPhoneの中に取り込む動きでもありました。

2026年現在の状況

2026年現在、iPhoneを財布や交通系ICカードの代わりに使う仕組みは定着しています。Apple PayではSuica、PASMO、ICOCAをiPhoneやApple Watchに追加でき、電車やバス、タクシー、店舗で利用できます。カードのチャージや定期券の購入・更新も端末から行えるようになっています。

また、日本全体でもキャッシュレス化が進み、経済産業省によると2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%、決済額は162.7兆円となりました。2016年にiPhoneへ搭載されたFeliCaは、単にiPhoneで支払えるようにしただけでなく、スマートフォンを日常の決済手段の一つにする流れの中に組み込まれています。

さらにAppleは2024年、日本で「iPhoneのタッチ決済」の提供を開始しました。これは、2016年のApple Payとは逆に、事業者側がiPhoneを決済端末として使える仕組みです。

「まだ10年?!」それとも「もう10年?!」

2016年からiPhoneはタッチ決済に対応した、と聞いて、「意外と最近の話なんだ」と思う人もいれば、「そんな前からやってたの?」と感じる人もいるのではないでしょうか。

ガラケー時代からおサイフケータイを使っていた人なら、「ようやくiPhoneでも使えるようになった」という感覚かもしれません。当時は「スマホにするとおサイフケータイが使えないから、ガラケーのまま」という人もいました。

一方、現金やカード決済が当たり前で、スマートフォンで支払うようになったのが最近という人なら、「そんな前からタッチ決済があったのか」という感覚でしょう。

同じ10年でも、使い始めた時期によって長くも短くも感じます。技術の10年を振り返るとき、意外と当てにならないのが、自分の記憶なのかもしれません。

10年後の未来

2007年に誕生したiPhoneが、9歳にして「はじめてのおつかい」ができるようになったのが2016年でした。それから10年。Suicaや電子マネー、クレジットカードなど、財布に入っていたものをさらに取り込んで、すっかり財布の一部を任されるまでになりました。

日本人でいえば、もう成人です。そして2027年には20歳を迎えます。20歳になったiPhoneは、次はいったい何を「ひとりでできる」ようになっているのでしょうか。次の10年も、まだまだ成長期は続きそうです。