「北朝鮮、5回目の核実験 核弾頭の爆発実験と発表」「北朝鮮が核実験、過去最大規模か 日韓両政府が実施と判断」

2016年9月9日の報道概要

北朝鮮は9日、北東部の核実験場で5回目となる核実験を実施し、国営メディアを通じて「新たに研究・製作した核弾頭」の爆発実験に成功したと発表します。北朝鮮は、戦略弾道ミサイルに装着できるよう標準化、規格化された核弾頭の構造や性能、威力を確認したとしています。日本の気象庁は午前9時半ごろ、北朝鮮北東部を震源とするマグニチュード5.3の人工的な地震を観測し、日本政府も核実験が行われたと判断します。

今回の核実験は、2016年1月に続く同年2回目で、2006年の初回から数えて5回目となります。韓国や米国などは過去最大規模の可能性があると分析し、国際社会からは強い非難の声が上がります。北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、緊張がさらに高まることになります。

2016年9月当時の背景

北朝鮮では、この年の1月にも4回目の核実験を行い、2月には弾道ミサイル技術を使った発射を強行しています。国連安全保障理事会は3月、核実験やミサイル開発を受けて制裁を大幅に強化し、貨物検査の強化や輸出入の制限などを盛り込みました。それでも北朝鮮は、その後も弾道ミサイルの発射を繰り返しています。

今回の実験は、前回からわずか8カ月で実施されました。北朝鮮は核兵器そのものだけでなく、それを弾道ミサイルに搭載するための小型化や、ミサイルと組み合わせた運用能力の向上を進めているとみられていました。国際社会が制裁を強める一方で、北朝鮮の開発も進むという状況が続いていたのです。

2026年現在の状況

北朝鮮はその後、2017年9月に6回目の核実験を実施しました。これが現在まで最後の核実験となっており、2016年の5回目からわずか1年で、さらにもう一度核実験を行ったことになります。一方、核実験を止めた後も核兵器やミサイルの開発そのものが止まったわけではありません。

2025年時点のSIPRIの推計では、北朝鮮は約50発の核弾頭を組み立てており、さらに最大40発分を製造できる核物質を保有するとされています。2026年現在も、寧辺の核関連施設では核開発が続いているとみられ、IAEAは衛星画像などを使って動向を監視しています。また、豊渓里の核実験場についても、核実験を再開できる状態が維持されているとの分析があります。

北朝鮮の核開発を、皮肉にも後押しするアメリカの行動

2026年、アメリカはベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を軍事作戦で拘束し、さらにイランへの大規模な攻撃にも踏み切りました。北朝鮮から見れば、核兵器を持たない、あるいは核戦力を十分に完成させていない国の指導者が、アメリカの軍事力によって直接攻撃される光景です。実際、北朝鮮ではこうした出来事を核保有の正当性と結びつける動きがみられます。

北朝鮮指導部からすれば、「核開発を続けてきたのは間違いではなかった」と考えても不思議ではありません。核は攻撃のためだけではなく、盾として機能するからです。最近のアメリカの行動は、もちろん北朝鮮の核開発を直接的に支援しているわけではありませんが、皮肉にも「核を開発し続ける理由」を与えているのかもしれません。

10年後の未来

北朝鮮は、国際的な批判や制裁を受けながらも、ミサイル技術と核開発を少しずつ積み重ねてきました。一度に大きな変化を起こすのではなく、既成事実を積み重ねていく「サラミスライス戦略」が、これまでの経過を見る限り、残念ながら一定の成果を上げているように見えます。

一方、日本は中国、ロシア、北朝鮮という核保有国に囲まれ、世界で唯一の戦争被爆国でもあるにもかかわらず、核兵器にどう備えるかという議論そのものが、しばしばタブー視されます。

しかし、核兵器を持つか持たないかという議論と、核攻撃を受けた場合にどう備えるかは、本来別の問題です。日本はすでに広島と長崎で核を経験しています。それにもかかわらず、核兵器が存在する世界で、国民をどう守るのかという備えについては、十分に議論されているとはいえません。

スイスでは、核兵器を保有していない一方で、核兵器による攻撃も含めた有事を想定し、全国規模のシェルターを整備してきました。核を持つかどうかとは別に、核が使われる可能性を想定して備えるという考え方は、すでに他国で実践されています。

核保有の是非を議論する以前に、もし再び核兵器が使われた場合、どうすれば国民を守れるのか。日本は、その備えを議論することさえためらっているようです。まるで思考だけが先に核から逃げ出し、シェルターにこもっているようにも見えます。